触れる、感じる、内なるチカラ
なんであたまを触るだけで
カラダがラクになるの?
と、たまに言われます。
皮膚は生理学的に
" 露出した脳 " といわれることもあり
触れたものを脳で分析する前に
皮膚自体が把握します。
そのため、手でそっと
あたまやおなかなどの部位へ
触れることで
手からの情報が入ってきて
感覚や感触として
受け止めることができるのです。
もっと詳しく説明すると
私たち人間の受精卵は
細胞分裂を繰り返して
人間らしいカタチになっていきますが
このとき細胞は
外側から外胚葉、中胚葉、内胚葉という
3つの層に分かれている時期があります。
それが次第に分化して
内胚葉からは内臓
中胚葉からは骨や筋肉などに
分かれていくのですが
外胚葉からは
皮膚と脳に分かれていきます。
つまり、皮膚と脳は
もともと同じものだったといえます。
だからこそ
脳に勝るとも劣らない情報能力が
皮膚にも備わっている、ということです。
皮膚を介して伝わってくる
その繊細な感覚を
誰しもが持ち合わせています。
目に見えるものや
押したり揉んだりなど
体感に感じるものじゃないと分からない
というのは、物質的価値観です。
手の感触は
研ぎ澄ませば研ぎ澄ますほど
感覚を得られます。
もちろん、受け手の方も
カラダのなかで変化しているプロセスを
感じられますが
動いてない、と思えば動いてません。
動いてない、に意識があるからです。
しかし、自分の呼吸やカラダへ
静かに意識を向けると
自ずと分かってきます。
いろいろな情報が交差し
マルチタスクな状態が続いているので
脳が休まっていませんからね。
そして、頭蓋骨。
パズルのように
たくさんの骨で構成されている頭蓋骨は
肺が呼吸をするように膨らんだり
元に戻ったりする動きをします。
頭蓋骨が動く、といっても
手や足みたいに動くのではなくて
ミリ単位で、微細に動いているのです。
(先入観があると分かりづらいかも)
詳しくは
呼吸とは違った動きなんですが
もし、呼吸を止めたとしても
私たちのカラダのなかを巡っている
脳脊髄液の循環を示すのが
頭蓋骨~仙骨までの動きなんですね。
これは、一次呼吸と呼ばれています。
頭蓋骨がこのような動きをするのは
お母さんのおなかにいる時から
始まっています。
生命が宿って
約4~5週ほど経つときに
肺よりも早くに脳と脊髄が形成され、
このときから一次呼吸が行われているのです。
つまり、肺呼吸より先に一次呼吸は
始まっていることになります。
お母さんのおなかにいるとき
赤ちゃんは十月十日の間
いのちの塩とも呼ばれる羊水に
漬かって過ごしますよね。
羊水が胎児の口のなかや鼻、耳などの
全ての孔へ入り込み、カラダの内外を
くまなく潤いつくしてくれます。
胸いっぱいに吸い込んだ羊水は
胎児の小さな肺へ流れこみ
そして、胎児も吸うだけではなく
それを吐くという
羊水呼吸も行なっています。
この羊水呼吸は半年に渡り
出産の日まで続けられるといいます。
思いきり飲み続けた羊水は
食道、胃、腸などへ及び
そして、へその緒を介して
血液のガス交換が営まれているのです。
赤ちゃんは
お母さんの狭い産道をとおり
圧迫を受けて
おぎゃーと息を吐き、生まれてきます。
このときから
肺呼吸(二次呼吸と呼ばれています)を
行ない、酸素を取り込むことができるようになります。
話しは戻ります。
私たちの一次呼吸は
頭蓋骨~仙骨までを行ききする
カラダの恒常性の循環経路である
脳脊髄液の流れと
脳と脊髄を包み込んでいる
硬膜が動くリズムから起きています。
この脳脊髄液の成分で
最も類似している液体は
実は、羊水なのです。
つまり、おなかのなかに
いのちが宿ってから最期まで
私たちのカラダは
いのちの水で守られているのです。
頭蓋骨のなかにある
硬膜の間を流れている脳脊髄液が
あたまのほうで満ちると
微細に膨らみ
だんだんと仙骨のほうへ
脳脊髄液が引いていくと、引っ張る感触があります。
この脳脊髄液を覆う硬膜は
伸縮性がない膜であるため
頭蓋骨のほんの小さな歪みから
アンバランスな張力をうみだし
仙骨までも引っ張ることになります。
そのため、頭蓋骨と骨盤は
ほぼ同じ歪み方を共有しているのです。
コチラの記事に
脳脊髄液や硬膜のことを書いています。
↓↓↓
おてあてでは
手の繊細な感覚から
脳脊髄液の満ち引きと硬膜の張力を
感じとっています。
そして、触るだけで
脳脊髄液を覆う捻れていた硬膜が
自然と解放されていくのです。
さて、ようやく本題の
触るだけでなぜ変わるのか。
これは私たちのカラダの細胞が
関係しています。
私たちのカラダにある細胞は
60兆個といわれています。
その細胞内はマイナスイオン
細胞外はプラスイオンが通常です。
これがプラスマイナス反転することで
電気的に私たちは信号を伝えることが
できます。
ひとつひとつの細胞のイオン濃度の違いが
隣合う細胞へ、電位差の情報を
伝えているのです。
カラダをコントロールするため
私たちのカラダには
こういった微弱な電気が流れているので
何かにぶつかったときに痛みが脳へ
伝わったり
カラダを動かす際も、脳からの指令が
筋肉に伝わり、電気信号でカラダを動かせるのです。
喜び、楽しみ、怒りや不安の感情や
私たちの五感すべてをも
電気的信号によって伝わっています。
私たちの意識、無意識な領域において
常に、電気的な刺激がある
ということです。
この電気的な刺激の
最小単位の電子においては
他者と、自分との境目はありません。
肝臓をイメージしたとき
肝臓に反応をもたらす電子が活発になり
手を通して、他者の肝臓と強調し合い
心地よく動くのです。
あたまを触るときも
頭蓋骨や硬膜、さらには脳までも
立体的にイメージしたときに
不活発なところが
心地よくゆらぎをもたらしてくれるのです。
生命維持に必要不可欠である
私たちの内なるチカラは
いまも、活動し続けています。
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