カラダに気持ちいい風を
私たちの呼吸運動は
空気中から酸素を取り入れ、細胞の代謝によって生じた二酸化炭素を排出するガス交換をして行われています。
この呼吸運動は胸骨や肋骨と
肋骨のなかにある肋間膜や横隔膜の働きによって成り立っています。
(首にある筋肉の胸鎖乳突筋や斜角筋も補助筋として動いています)
呼吸をする際に
横隔膜や肋間筋などの筋肉を動かしているのは脳ですが
私たちが普段から行なっている呼吸は
延髄にある呼吸中枢によってコントロールされています。
しかし
興奮や驚き、心配事などがあったり
何らかの問題で呼吸するときの筋肉の動きが妨げられると
呼吸中枢はすぐさま感知し
浅く、回数が多い呼吸となります。
呼吸中枢は
私たちの環境や感情などの情報をもとに呼吸のリズムを決め
横隔膜や肋間膜に働きかけて
1回の換気量や呼吸数を調節しているので
カラダにストレスがかかると
横隔膜もキチンと動かず、浅い呼吸になってしまうのです。
横隔膜が緊張してしまうと
酸素と二酸化炭素のガス交換がスムーズにできなくなり
老廃物も溜まりやすくなったり
カラダの免疫力の低下にもつながります。
横隔膜は胸部と腹部を隔てており、この横隔膜のなかには
心臓を流れ出し
全身の血液循環の大元である大動脈や大静脈、食道が通過しています。
横隔膜が緊張し、動きが鈍いと
血液循環はもちろん、神経的な圧迫も受けてしまいます。
大動脈からは交感神経
食道からは副交感神経が通っており
私たちの自律神経は横隔膜の動きによって支配されています。
(自律神経は常に変化している体内外の環境に対応して、ないぞう機能を調整している神経)
そのため、横隔膜が緊張していると呼吸が浅くなり
夜がなかなか寝付けれない
疲れが抜けない
カラダが冷える
イライラしやすい
不安や心配を感じやすいなど
カラダにも精神的にもさまざまな問題が出てきます。
息を吸うときは
横隔膜が収縮して下に下がり、外気が取り込まれ( 吸気 )
息を吐くときは
横隔膜が弛緩してそれに伴い、胸郭が狭くなって息を吐き出すことができます ( 呼気 )。
しかし、何らかのトラブルがあるために
この横隔膜の動きが浅くなったり鈍くなったりする方が多く
吸気のチカラが強い方、
呼気のチカラのほうが強い方がそれぞれいます。
横隔膜は横隔神経に支配されており
この横隔神経は頚椎3~5番から
心臓の両脇を通り、横隔膜へと走行しています。
そのため、息を吸うチカラ( 吸気 )が強い方ほど首が引っ張られ
ひどくなると首も動くほどの呼吸となってしまいますし
あごもだんだんと上がってきてしまいます。
夜寝ていても首を使って呼吸をしているので、朝起きると肩コリを感じたり
首には腕神経叢(わんしんけいそう)も走行しているので腕が重ダルいなどの症状が出てきます。
横隔膜のすぐ下には胃が位置しているので
横隔膜が緊張していると
胃も上に引っ張られ
胃がムカついたり、もたれたりなどの症状も出てきます。
ついでに心臓も上に引っ張られてしまうので、血液循環もスムーズにいかなくなりますよね。
息を吐くチカラ( 呼気 )のほうが強い方は吸うチカラが弱いため、ないぞうも下垂し
カラダ全体が冷えたり、免疫力も低下したりなど
さらにひどくなると
首にあるキレイなアーチがなくなってしまい、いわゆるストレートネックとなってしまい頭痛諸々など
カラダにいろいろな不調が出てきます。
どちらも横隔膜が緊張し
本来、上下前後に動くべきものが動かなくなってしまうため、呼吸自体浅くなってしまいます。
以前の私も
吸い上げのほうのチカラが弱く、呼吸が浅いひとりでしたが
頭蓋骨をはじめ
ないぞうを整えていくことで
呼吸がしやすくなるのはもちろん
深呼吸がキチンとできるようになりました。
呼吸がしやすくなると
体内では本来のガス交換がスムーズに行われ
全身に巡る血液の流れもよくなるので
カラダも軽くなりますし、夢も見ずによく眠れます。(笑)
息を深く吸い込むと
血中の酸素濃度も上がり、脳やカラダの働きも活発になります。
肺は背中側まで立体的に
スポンジのようにあるので
呼吸をするときは、前方側を大きく拡げるだけではなく
吸うときは背中側まで
酸素を行き渡らせるようにイメージして
吐くときは背中側から二酸化炭素などの老廃物を吐き出すイメージをしてみてくださいね。
呼吸をしっかり意識すると
カラダもぽかぽかあたたまりますし
あたまもスッキリします。
目を瞑って行なうと
自分自身を内観することもできるので
ぜひ5分でも10分でもトライしてみてください。
ちなみに
横隔膜はおなかにある腹横筋とつながっており、その下の骨盤底筋群と連動しています。
横隔膜がキチンと動くことで
骨盤底筋群の動きにもつながるので
女性なら
プラス、息を吸うときは膣を締めるイメージで行ない(男性なら肛門を締める)
吐くときは、ゆっくりチカラを緩めてあげると子宮脱や尿漏れにも効果が期待されるので
これからのご自分のカラダのためにも
深い呼吸をカラダに取り込んでみましょうね。
心地よいそよ風を
カラダ全体に通してみてください。
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